VPSの選択には、どのような要素を考慮する必要がありますか【地理篇】

イントロダクション#

これは VPS 選択シリーズの最初の記事であり、ある友人の要望に応えて作成されました。

内容には偏りがあるかもしれませんので、ご了承ください。

問題を解決する方法については「あなたの言うことは正しいが、私は変更しません」という方針です。

データの海外送信先#

中国本土の民間ネットワークの出口は、以下の都市に集中しています：

上海
北京
広州

新疆ウルムチの CN2 ノードや成都の一部の南アジア方面のルートなど、一般の人々が日常的に tracert で見ることができる神秘的なノードは非常に稀です。

出口都市：上海#

上海は数多くの称号を持つ都市であり、長江の河口としての役割を果たすと同時に、長江流域のインターネットトラフィックの出口としての役割も担っています。

長江流域の経済規模により、相当な量のデータトラフィックが海外に送信される必要があります。そのため、上海の国家バックボーンネットワークのネットワーク集約層は、ピーク時にはパケットの揺れやパケットロスが発生することがあります。

上海は東部の頂点に位置し、複数の太平洋海底ケーブルが上海を起点としており、日本、香港、韓国、シンガポール、さらにはアメリカ西海岸までカバーしています。

出口都市：北京#

北京は中国の首都であり、華北平原の要衝であり、華北地域、東北三省、内モンゴルなどの西北地域のデータトラフィックを集約統合する役割を担っています。

中国の政治的中心地であり、「北に位置する」という地理的特徴を持つため、北京は上海と同様にトラフィックの集約と海底ケーブルの上陸には関与せず、基本的にはトラフィックの中継と集約の役割を果たしています。渤海と黄海の海底の深さも、選択可能な海底ケーブルの上陸地点をさらに制限しています。

そのため、北京は主にヨーロッパ方面の陸上ケーブルのトラフィック転送および韓国、一部の日本地域のネットワークトラフィック処理を担当しています。

出口都市：広州#

広州は九龍が集まる場所であり、珠江三角洲の要衝であり、西南地域、広東、福建地域のデータトラフィックを統合しています。

中国で最初に改革開放が行われた地域として、広州と香港の連携は非常に豊かです。香港が国際的に特別な地位を持ち、長い間優れた国際トラフィックの出口を提供してきたことから、広州は全国のトポロジーにおいて非常に重要な位置を占めています。

広州の出口は主に香港方面、南アジア方面、一部のアジア太平洋方面のトラフィックを担当しています。特殊な状況ではヨーロッパ方面のトラフィックも担当することがあります。

データの送信先#

大陸の通信事業者が一般のネットワークに開放している POP ポイントは非常に限られており、各大陸には通常数か所しかありません。

アメリカ大陸#

アメリカ大陸は北アメリカと南アメリカに分けることができ、さらにアメリカとその他の国に細分化することもできます。中国のアメリカ大陸の POP は主に中国側に近いアメリカ西海岸に集中しています。

北アメリカは現代インターネットの発祥地であり、多数の Tier1 レベルの ISP が POP とバックボーンを設置しています。そのため、中国と北アメリカの間のインターネット帯域は非常に大きく、3 つの主要通信事業者は北アメリカの Tier1 ISP のトランジットを自身のネットワークの補完として購入しています。

アメリカ西海岸の POP ポイントには以下のような選択肢があります：

ロサンゼルス（Los Angeles）。LAX は北アメリカ西海岸で最も歴史のあるデータ交換センターであり、多数の海底ケーブルがここに上陸しています。これにより、LAX は北アメリカの主要な POP の 1 つとなっています。
サンノゼ（San Jose）。SJC はアメリカ西部の新興地域ネットワークの中心地として、新しく建設された海底ケーブルやデータセンターが多く上陸しています。Cloudflare も SJC と 3 つの主要通信事業者との間で 100Gbps 以上の相互接続容量を持っています。
シアトル（Seattle）。アメリカ北西部の重要なネットワークノードであり、ロサンゼルスとほぼ同じネットワークの地位を持っています。初期の日米海底ケーブルは Seattle から上陸し、アジア太平洋地域諸国とヨーロッパを最も低い遅延で接続する北米のネットワーク中心地の 1 つです。

日本#

日本の海底ケーブルの上陸地点は比較的限られており、主に東京と大阪に集中しています。日本の大手ネットワーク事業者は中国本土と非常に類似した特徴を持っており、主要なバックボーンリソースは NTT、KDDI、IIJ、SoftBank が保有しています。

日本のネットワーク事業者は、中国本土に直接自社の POP ポイントを持つ海外 ISP の数少ない例です。また、中国本土の通信事業者との間のネットワーク接続品質の高さは奇跡と言えるでしょう（IIJ と AS4837 は完全に対等な接続を持っており、IIJ->AS4837->AS9929->AS10099 といった神秘的なルートが見えると言われています）。

NTT はアジアで数少ない Tier1 プロバイダであり、そのバックボーンネットワークは TNT としても知られていますが、中国の通信事業者も NTT と接続し、そのバックボーンネットワークを世界中で利用できるようにしています。

主な POP ポイントは以下の通りです：

東京。東京は日本唯一の都級行政区域であり、事実上の首都として国際的に認識されています。東京湾の良好な水文条件も海底ケーブルの上陸に適しています。
大阪。東京が関東の中心と見なされるなら、大阪は関西の中心です。東京の長いネットワークの発展史は、大阪から見るとただの山のように見えるかもしれませんが、大阪は新しく建設された海底ケーブルの上陸条件を整える役割を果たしています。

東南アジア#

東南アジアの 2 つのネットワークセンターについて話すと、ほとんどの中国のインターネットユーザーは非常によく知っているでしょう。1 つは中国と密接に関連する都市であり、もう 1 つは南アジアの経済と石油産業の中心であり、航行の要所であるマラッカ海峡の真珠、シンガポールです。

これら 2 つの都市は海に非常に近いため、多くの海底ケーブルが上陸しています。地理的な関係に基づいて、シンガポールは南シナ海周辺諸国の中継ハブとして存在し、香港は中国が最初に世界に開かれた窓口として、陸地ケーブルを通じて香港に入る中国本土の大量の出向データを処理する一方で、太平洋地域の国々がヨーロッパへの最短遅延で接続するための入口となっています。

主な POP ポイントは以下の通りです：

香港。中国の特別行政区として、香港は非常に特殊なネットワークの地位を持っていますが、3 大通信事業者によるこの地域の相互接続リソースの独占は、大陸との直接接続回線の価格が非常に高いという結果をもたらしています。
シンガポール。南アジア地域の唯一の超大型ネットワークセンターとして存在していましたが、その結果、巨大なデータセンター需要がこの地域にかかりすぎています。そのため、いくつかの「シンガポールサーバー」はすでに対岸のジョホール地域に配置されています。

ヨーロッパ#

中国とヨーロッパは地理的にはそれほど遠くないように見えますが、中間にはさまざまな中央アジア諸国や地理的な障壁があります。そのため、アジアとヨーロッパの間のインターコネクトは初期には海底ケーブルを介して行われました。その結果、最初の 2 つの POP ノードはイギリスとオランダに設置されました...

アジアとヨーロッパの陸上ケーブルが点灯するにつれて、新しい POP がヨーロッパの交差点であるドイツに配置されるようになりました。

ヨーロッパのインターコネクトネットワークの品質は非常に高いため、大きな違いはありません。実際、英国とその他の国との間には特に優れたものはありません。

予告#

次の記事では、異なるルートの選択といくつかの奇妙な落とし穴について分析します。